広島旅行2日目(7/13)、その3。
2002年7月16日 あっという間に、昨日と同じ交差点に出る。昨日と同じように、信号が変わるまではその場にいる。
「それでは、今日は本当にすみませんでした」
「いえ、こちらこそお仕事の後に駆けつけてくださいましてありがとうございました。また、今度、水族館につれていってくださいね」
「まぁ、機会があれば……」
そういって、クマは私が歩き出そうとするのを見て去っていった。こちらは、信号が気がつくと代わりかけになっていたので、歩きやめてしまったのだが。
向こうが気づかないだろうと思い、そっとクマが歩いていく方向を見る。すぐに電話を出してどこかへ電話をしていた。すぐに電話を終え、そのまま駅の方向に向かって歩いていく。昨日もきっとああやって歩いていったのだろう。
……本当は「駅までお送りしてもよいですか」といおうと思ったのだが。どうやっても、駅とホテルが反対方向な上に、一緒に歩いていても特に会話があるとも思えなかったので言い出せなかった。
だからせめて、その姿が視界から見えなくなるまでは、見送っていたかった……。
ホテルに帰って、明日の荷物を詰める。朝、ぎりぎりまで寝るためには荷物整理が必要だ。今日も眠れるとは思わなかったけれど(なにしろ夕方まで寝ていたし)、とりあえず寝る準備をする。
……すべてを終え、ぼんやりとベッドの上で膝を抱えながら、何故、涙が出てこないのだろうと思った。
昨日も物理的には涙が出てきたが、胸が痛くなるだけで涙は出てこなかった。
この人が、私を友達以上に思うことはないのだ、ということに気づいたときもきりりと心臓が痛んだが、それだけだった。
もうこれでしばらく逢うことはないというのに。下手をするとこれで終わりの可能性もある。
それなのに、涙が出てこない。哀しいはずなのに何故、出てこないのか。
その泣けないということが、つらくなる。涙を流せれば少しは楽になるのに……。
昨日と今日を思い出しながら、あることに気がついた。
――この人は、いまだに私が好きなことをわかっている。
告白してから1年。その間、向こうの態度がかわることはなくこちらの気持ちに気づいているのかが疑問だった。年末のときは、なんとなく意識されているのかなぁとも思っていたのだが、それからさらに半年たっているのだ。
向こうも私がすでに好きではなくなっているのではないかと思っていると思った。(ややこしいな)
だが、この2日間の態度を見ていて、この人は私がまだ好きでいることに気づいていて、それでいて気づかないふりをしているのだ。
それに気がついたときに、はじめて涙が出てきた。
この人は私の気持ちをわかっていながら、それに応えることがどうしてもできないのだ。そこに過去のトラウマがあるのか、只単に面倒くさいからだけなのかはわからない。
それでも、私の気持ちは知っている。
そうした上で、緩やかに拒絶しているのだ。
この人にとっては、こうして友達としているのが精一杯なのだ……。
新たな発見に呆然としつつも、横になって寝ようとしたときに、電話がかかってきた。東京のお兄ちゃんからだ。
ここ数日、お兄ちゃんのサイトがちょいとごたごたしていたので、それの事後報告をわざわざしてくれたというわけ。相変わらず、口の軽い兄ちゃんだ(笑)。いや別にいいけれど。
向こうが振ってこなければクマのことはいわないと決めていたのだが、あっさりふってきたので、昨日と今日のことを話す。
「オレがもし、仕事入っちゃったら約束あったって、断るよ。仕事終わってから駆けつけたりなんかしないしさ。それだけ、大事にされているんだよ」
「そりゃまぁ、そうなんですけれど……」
だから、友達としてはね。それと、遠いところから来ているのをわかっているからの特別扱いとも考えられる。
神経症でちょっとやったという話をしたら、
「オレ、そういうのダメ。知り合いがやってるのが許せない」
と説教モードに入られてびっくりした。って、前からやるとこの人にはいってあったはずなんだが。
「ダメだよ、自分を傷つけちゃ。ちゃんとご飯も食べないと」
「はぁ」
「オレは話をきくしかできないけど、オレでよければいくらでもきくから。一人じゃないんだからさ」
……臆面もなくそういう台詞が出てくる兄ちゃんはすごいです。
いやちょっと吃驚したのは、兄ちゃんがここまで人のことを心配してくれたことに対してだったりする。そこまで人に関心持たない人だと思ったので。(最近読んでないよな、兄ちゃん。読んでいたらゴメン)
昔の私だったら惚れているところである(笑)。今更、お互いに異性として惚れることはないのでいいのだけれど。(さらにゴメン)
「ま、癒し系のオレの声をきけたってことで……なんつってな。今度、会おうね。今はちょっと仕事忙しいからあれだけど」
「はい、遊んでくださいね」
電話を切って、しばらくまたぼーっとする。
胸が痛いのはかわらないけれど、今日はなんとなく眠れそうな気がする。癒されたかどうかはともかくとして(爆)。
しばらくは、もうクマに逢えないんだ…………。
「それでは、今日は本当にすみませんでした」
「いえ、こちらこそお仕事の後に駆けつけてくださいましてありがとうございました。また、今度、水族館につれていってくださいね」
「まぁ、機会があれば……」
そういって、クマは私が歩き出そうとするのを見て去っていった。こちらは、信号が気がつくと代わりかけになっていたので、歩きやめてしまったのだが。
向こうが気づかないだろうと思い、そっとクマが歩いていく方向を見る。すぐに電話を出してどこかへ電話をしていた。すぐに電話を終え、そのまま駅の方向に向かって歩いていく。昨日もきっとああやって歩いていったのだろう。
……本当は「駅までお送りしてもよいですか」といおうと思ったのだが。どうやっても、駅とホテルが反対方向な上に、一緒に歩いていても特に会話があるとも思えなかったので言い出せなかった。
だからせめて、その姿が視界から見えなくなるまでは、見送っていたかった……。
ホテルに帰って、明日の荷物を詰める。朝、ぎりぎりまで寝るためには荷物整理が必要だ。今日も眠れるとは思わなかったけれど(なにしろ夕方まで寝ていたし)、とりあえず寝る準備をする。
……すべてを終え、ぼんやりとベッドの上で膝を抱えながら、何故、涙が出てこないのだろうと思った。
昨日も物理的には涙が出てきたが、胸が痛くなるだけで涙は出てこなかった。
この人が、私を友達以上に思うことはないのだ、ということに気づいたときもきりりと心臓が痛んだが、それだけだった。
もうこれでしばらく逢うことはないというのに。下手をするとこれで終わりの可能性もある。
それなのに、涙が出てこない。哀しいはずなのに何故、出てこないのか。
その泣けないということが、つらくなる。涙を流せれば少しは楽になるのに……。
昨日と今日を思い出しながら、あることに気がついた。
――この人は、いまだに私が好きなことをわかっている。
告白してから1年。その間、向こうの態度がかわることはなくこちらの気持ちに気づいているのかが疑問だった。年末のときは、なんとなく意識されているのかなぁとも思っていたのだが、それからさらに半年たっているのだ。
向こうも私がすでに好きではなくなっているのではないかと思っていると思った。(ややこしいな)
だが、この2日間の態度を見ていて、この人は私がまだ好きでいることに気づいていて、それでいて気づかないふりをしているのだ。
それに気がついたときに、はじめて涙が出てきた。
この人は私の気持ちをわかっていながら、それに応えることがどうしてもできないのだ。そこに過去のトラウマがあるのか、只単に面倒くさいからだけなのかはわからない。
それでも、私の気持ちは知っている。
そうした上で、緩やかに拒絶しているのだ。
この人にとっては、こうして友達としているのが精一杯なのだ……。
新たな発見に呆然としつつも、横になって寝ようとしたときに、電話がかかってきた。東京のお兄ちゃんからだ。
ここ数日、お兄ちゃんのサイトがちょいとごたごたしていたので、それの事後報告をわざわざしてくれたというわけ。相変わらず、口の軽い兄ちゃんだ(笑)。いや別にいいけれど。
向こうが振ってこなければクマのことはいわないと決めていたのだが、あっさりふってきたので、昨日と今日のことを話す。
「オレがもし、仕事入っちゃったら約束あったって、断るよ。仕事終わってから駆けつけたりなんかしないしさ。それだけ、大事にされているんだよ」
「そりゃまぁ、そうなんですけれど……」
だから、友達としてはね。それと、遠いところから来ているのをわかっているからの特別扱いとも考えられる。
神経症でちょっとやったという話をしたら、
「オレ、そういうのダメ。知り合いがやってるのが許せない」
と説教モードに入られてびっくりした。って、前からやるとこの人にはいってあったはずなんだが。
「ダメだよ、自分を傷つけちゃ。ちゃんとご飯も食べないと」
「はぁ」
「オレは話をきくしかできないけど、オレでよければいくらでもきくから。一人じゃないんだからさ」
……臆面もなくそういう台詞が出てくる兄ちゃんはすごいです。
いやちょっと吃驚したのは、兄ちゃんがここまで人のことを心配してくれたことに対してだったりする。そこまで人に関心持たない人だと思ったので。(最近読んでないよな、兄ちゃん。読んでいたらゴメン)
昔の私だったら惚れているところである(笑)。今更、お互いに異性として惚れることはないのでいいのだけれど。(さらにゴメン)
「ま、癒し系のオレの声をきけたってことで……なんつってな。今度、会おうね。今はちょっと仕事忙しいからあれだけど」
「はい、遊んでくださいね」
電話を切って、しばらくまたぼーっとする。
胸が痛いのはかわらないけれど、今日はなんとなく眠れそうな気がする。癒されたかどうかはともかくとして(爆)。
しばらくは、もうクマに逢えないんだ…………。
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