広島旅行1日目(7/12)、その1。
2002年7月12日 予定通りに起きて空港へ。始発バスに乗るのは何回目だろう。空港について荷物をあずけてから、実に1時間は余裕がある。朝早すぎて店もあいていないし。むぅ。早めに中に入り、中の土産を冷やかしているうちに時間に。
久し振りの飛行機に、ちょっとパニック発作をおこしかけつつも、いつもよりは平穏無事に空の旅を終える。空港からは市内へのバスに乗り継いで、高速を走る。去年は雨でけぶっていた景色が、今年はえらくまぶしい。
ホテルに荷物をたくして日傘をさしつつ、広島駅まで。西広島に茶を飲みにいくのだ。去年もいった店なのだが、平日はランチをやっているので。ランチが12時からということで近くのデパートで本をあさってみたり。
薬膳のランチはやはり美味。最後にお茶をつけてもらって、ゆっくりしたいところだったのだが友人との待ち合わせがあるのでそこそこで出る。
今日会うのは、藤重友達でそれこそ半年ぶり。特に何をするというわけでもなく、話をしながらデパート巡り。女の子同士だとこれができるからいいな。
そうこうしていた、4時少し前。なんとなく気になって電話を見てみるとどうやらメールがきているらしい。古い電話に戻してから、どうにも着信に気づかないことがあったりするのだ。開いてみると
「お詫び、その2」
とある。クマからだ。
「夕飯ご一緒にいかがですか?」
その2というからには、1があるのだろうと受信簿をさかのぼっていき、「お詫び」と書かれた文章を見て、血の気がひく。
「明日、急な出勤を命じられました。なんといってお詫びしたらいいのか」
自分で自分の顔色は見られないから、どういう顔をしていたのかわからないけれど。友人が、どこか座れるところを探してくれる。ということは、それなりにひどい顔をしていたのだと思う。
実際、血の気がひくどころか目眩と吐き気を覚えたので。
「お夕飯。もちろんおごりですよね?(笑) 繁華街にいますので、お仕事終わりましたら連絡くださいませ」
とりあえずそう返事をしておく。その間も、頭はフル回転だ。明日、逢えないのなら日曜はどうなんだろう、とか。日曜もダメなら明日の夕飯くらいはせめて、とか。
悪いがとても友人と話す気分ではなく。だが、せっかく今日のために出てきてくれているので、いってみたいと言っていた中国茶にいく。このお店も、去年きたところだ。そこで、少し話してから彼女を送り出し、自分はホテルに帰る。
なにしろ飛行機でやってきたので、TシャツにGパンという姿。なによりよくないのが、密かに冷房用にもってきた乙女のシャツ。これをおいて、クマに渡すはずのものをもってこなければならない。汗をかいたので風呂を浴びて、化粧もして。
しかし、なかなか連絡がこない。6時を過ぎても7時を過ぎてもこないあたりで、徐々に色々な想いがこみあげてくる。ここで泣いては化粧が落ちるので我慢するのだが。
ともかく、やってはいけないのはクマを責めること。仕事なのだったら仕方がない。しかも前日にいわれるとは。そうじゃなければ、こちらも対処のしようがあったのだが。
ようやくクマから連絡がきて、繁華街のデパート前で待ち合わせることに。必死になって、気持ちをふるいたたせつつ待ち合わせ場所にいく。ぼーっと椅子に座っているとクマからの電話がくる。
半年ぶりに見るクマに、少し絶句。下がGパンにスニーカー。ちょっとよれよれしているV首のTシャツ……その上に、見覚えのあるピンクのシャツ! って今日私が着てきたやつだよ! よかった、おいてきていて……。
店にあてがあるらしく、すたすたとクマは歩く。その斜め後ろを歩きながら、自然と顔がゆるんでくるのを感じた。
「すみませんね、急なことで」
その瞬間、クマが振り返る。……満面の笑み見られたよ(死)。なんとかその場はとりつくろったけれど。
それよりも、どうしても気になることがひとつ。
「眼鏡、どうされたんですか」
「なくしました。今、使い捨てのソフトをいれています」
……眼鏡のないクマなんて、クマじゃない……。つか、なくすなよ、眼鏡。
いったのは焼鳥屋。そこならば焼酎があるからといわれ、入る。流石に串1本の単価が安いなと思いつつ。少し待たされたが、端の方のカウンターに座ることになる。
「私、レバーとサビ焼きは食べられませんから」
「それでは、それを10本ずつ頼みましょう♪」
いつもの調子が始まった。
それらを1本ずつと、あとは2本ずつ頼むことに。飲み物は普通にクマがビール、私が焼酎ロックと烏龍茶。この時点で空きっ腹なために、2口くらいで酔いがくる。おかげさまで何を話していたのか覚えていない(死)。
豚バラ肉がきたとき、肉の間にネギが挟まっていた。これは天敵である。串から外したネギを隣の皿にほうりこむ。
「柔らかくて美味しいのに」
「ネギは千切りとみじん切りじゃなきゃ食べません」
「好き嫌いをしていると大きくなれませんよ」
「これ以上大きくならなくていいんですっ」
「さび焼き食べてみますか?」
「……じゃあ、いただきます」
「て、そこはサビがついてないところじゃあないですか」
「いーんです」
先端のサビのついていないささみの部分だけゲット。ぶつぶついいながら、クマは残りを食べ「サビが鼻に抜けた」などといっている。わさびとか和からしとかが苦手だそうで。じゃあ、食うなよ。
「いやぁ、顔が紅くなった」
と、飲むといつもいう台詞を吐く。
「そうですか? 色が黒いからわからないですよ」
「そんなに色黒くないですよ、わたし」
「え? そうですか?」
クマの右腕に私の左腕を並べる。
「…………」
一瞬の沈黙。
それはまさに、オセロ(漫才師)もびっくりなくらいの見事な黒と白の対比。
「……腕は、芝刈り(ゴルフ)焼けです」
ばかめ。オレの色白さにはりあおうなんて、10年遅いよ。
あとは、普段、親しい方からなんて呼ばれているのかきいたり。下の名前で○○ちゃんといわれているらしい。姫、しばし絶句。あの図体で、ちゃん付け。に、似合わない(大きなお世話)
メニューで気になったのが「白玉焼き」。あんまり気になったので頼んでもらった。出てきたのはうずらの卵だった。←天敵。
「…………食べてください」
「ダメです。ちゃんと食べなさい」
じーっとたまごを睨んでいたら、
「これは食べてあげますから、アスパラ巻を食べていいですよ」
と譲ってくれた。
いや、どーしても食べられないものというのは少ししかないのだが、嫌いな物は食べたくないのだ。側にそれを食べられる人がいるならば、食べてもらったほうがもったいなくなくていいし。
それにしても、だいぶ酔いが回っている。考えてみれば寝不足もあるんだったか。
「酔いが醒めるまで、そこらへんで休んでもいいですか」
「どうぞどうぞ。その間にわたしは帰りますから」
「……相変わらずつれない人ですね!」
こいつはおいていくといったら、ホントにおいていくやつなのだ。別に私も介抱してもらおうと思っていないからいいのだが。……しかし、思わず本音を口走ったが、微妙に向こうも沈黙したな。
ていうより、後からふと考えたら「ご休憩」ってあなた……私もそういう意味でいったわけでもないし、向こうもそうはとらないだろうけれど。ある意味ヤバイ会話だったか(爆)。
久し振りの飛行機に、ちょっとパニック発作をおこしかけつつも、いつもよりは平穏無事に空の旅を終える。空港からは市内へのバスに乗り継いで、高速を走る。去年は雨でけぶっていた景色が、今年はえらくまぶしい。
ホテルに荷物をたくして日傘をさしつつ、広島駅まで。西広島に茶を飲みにいくのだ。去年もいった店なのだが、平日はランチをやっているので。ランチが12時からということで近くのデパートで本をあさってみたり。
薬膳のランチはやはり美味。最後にお茶をつけてもらって、ゆっくりしたいところだったのだが友人との待ち合わせがあるのでそこそこで出る。
今日会うのは、藤重友達でそれこそ半年ぶり。特に何をするというわけでもなく、話をしながらデパート巡り。女の子同士だとこれができるからいいな。
そうこうしていた、4時少し前。なんとなく気になって電話を見てみるとどうやらメールがきているらしい。古い電話に戻してから、どうにも着信に気づかないことがあったりするのだ。開いてみると
「お詫び、その2」
とある。クマからだ。
「夕飯ご一緒にいかがですか?」
その2というからには、1があるのだろうと受信簿をさかのぼっていき、「お詫び」と書かれた文章を見て、血の気がひく。
「明日、急な出勤を命じられました。なんといってお詫びしたらいいのか」
自分で自分の顔色は見られないから、どういう顔をしていたのかわからないけれど。友人が、どこか座れるところを探してくれる。ということは、それなりにひどい顔をしていたのだと思う。
実際、血の気がひくどころか目眩と吐き気を覚えたので。
「お夕飯。もちろんおごりですよね?(笑) 繁華街にいますので、お仕事終わりましたら連絡くださいませ」
とりあえずそう返事をしておく。その間も、頭はフル回転だ。明日、逢えないのなら日曜はどうなんだろう、とか。日曜もダメなら明日の夕飯くらいはせめて、とか。
悪いがとても友人と話す気分ではなく。だが、せっかく今日のために出てきてくれているので、いってみたいと言っていた中国茶にいく。このお店も、去年きたところだ。そこで、少し話してから彼女を送り出し、自分はホテルに帰る。
なにしろ飛行機でやってきたので、TシャツにGパンという姿。なによりよくないのが、密かに冷房用にもってきた乙女のシャツ。これをおいて、クマに渡すはずのものをもってこなければならない。汗をかいたので風呂を浴びて、化粧もして。
しかし、なかなか連絡がこない。6時を過ぎても7時を過ぎてもこないあたりで、徐々に色々な想いがこみあげてくる。ここで泣いては化粧が落ちるので我慢するのだが。
ともかく、やってはいけないのはクマを責めること。仕事なのだったら仕方がない。しかも前日にいわれるとは。そうじゃなければ、こちらも対処のしようがあったのだが。
ようやくクマから連絡がきて、繁華街のデパート前で待ち合わせることに。必死になって、気持ちをふるいたたせつつ待ち合わせ場所にいく。ぼーっと椅子に座っているとクマからの電話がくる。
半年ぶりに見るクマに、少し絶句。下がGパンにスニーカー。ちょっとよれよれしているV首のTシャツ……その上に、見覚えのあるピンクのシャツ! って今日私が着てきたやつだよ! よかった、おいてきていて……。
店にあてがあるらしく、すたすたとクマは歩く。その斜め後ろを歩きながら、自然と顔がゆるんでくるのを感じた。
「すみませんね、急なことで」
その瞬間、クマが振り返る。……満面の笑み見られたよ(死)。なんとかその場はとりつくろったけれど。
それよりも、どうしても気になることがひとつ。
「眼鏡、どうされたんですか」
「なくしました。今、使い捨てのソフトをいれています」
……眼鏡のないクマなんて、クマじゃない……。つか、なくすなよ、眼鏡。
いったのは焼鳥屋。そこならば焼酎があるからといわれ、入る。流石に串1本の単価が安いなと思いつつ。少し待たされたが、端の方のカウンターに座ることになる。
「私、レバーとサビ焼きは食べられませんから」
「それでは、それを10本ずつ頼みましょう♪」
いつもの調子が始まった。
それらを1本ずつと、あとは2本ずつ頼むことに。飲み物は普通にクマがビール、私が焼酎ロックと烏龍茶。この時点で空きっ腹なために、2口くらいで酔いがくる。おかげさまで何を話していたのか覚えていない(死)。
豚バラ肉がきたとき、肉の間にネギが挟まっていた。これは天敵である。串から外したネギを隣の皿にほうりこむ。
「柔らかくて美味しいのに」
「ネギは千切りとみじん切りじゃなきゃ食べません」
「好き嫌いをしていると大きくなれませんよ」
「これ以上大きくならなくていいんですっ」
「さび焼き食べてみますか?」
「……じゃあ、いただきます」
「て、そこはサビがついてないところじゃあないですか」
「いーんです」
先端のサビのついていないささみの部分だけゲット。ぶつぶついいながら、クマは残りを食べ「サビが鼻に抜けた」などといっている。わさびとか和からしとかが苦手だそうで。じゃあ、食うなよ。
「いやぁ、顔が紅くなった」
と、飲むといつもいう台詞を吐く。
「そうですか? 色が黒いからわからないですよ」
「そんなに色黒くないですよ、わたし」
「え? そうですか?」
クマの右腕に私の左腕を並べる。
「…………」
一瞬の沈黙。
それはまさに、オセロ(漫才師)もびっくりなくらいの見事な黒と白の対比。
「……腕は、芝刈り(ゴルフ)焼けです」
ばかめ。オレの色白さにはりあおうなんて、10年遅いよ。
あとは、普段、親しい方からなんて呼ばれているのかきいたり。下の名前で○○ちゃんといわれているらしい。姫、しばし絶句。あの図体で、ちゃん付け。に、似合わない(大きなお世話)
メニューで気になったのが「白玉焼き」。あんまり気になったので頼んでもらった。出てきたのはうずらの卵だった。←天敵。
「…………食べてください」
「ダメです。ちゃんと食べなさい」
じーっとたまごを睨んでいたら、
「これは食べてあげますから、アスパラ巻を食べていいですよ」
と譲ってくれた。
いや、どーしても食べられないものというのは少ししかないのだが、嫌いな物は食べたくないのだ。側にそれを食べられる人がいるならば、食べてもらったほうがもったいなくなくていいし。
それにしても、だいぶ酔いが回っている。考えてみれば寝不足もあるんだったか。
「酔いが醒めるまで、そこらへんで休んでもいいですか」
「どうぞどうぞ。その間にわたしは帰りますから」
「……相変わらずつれない人ですね!」
こいつはおいていくといったら、ホントにおいていくやつなのだ。別に私も介抱してもらおうと思っていないからいいのだが。……しかし、思わず本音を口走ったが、微妙に向こうも沈黙したな。
ていうより、後からふと考えたら「ご休憩」ってあなた……私もそういう意味でいったわけでもないし、向こうもそうはとらないだろうけれど。ある意味ヤバイ会話だったか(爆)。
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