お弁当。
2002年6月14日 芝居のタイトルではない。(私は見に行っていないし)
職場のひそかなおもしろ人間(失礼)S屋敷君は、金がないのか面倒なのか昼を食わない。前は、菓子パンくらいは買ってきて食べていたのだが。
私が飯を食わないのはともかくとして、いい年した大の男が飯を抜くのは絶対身体によくない。甘いもの食ってりゃいいってもんじゃないだろうが。
で、もう一人の社員のYさんから冗談半分で「弁当作ってきてやってくれよ」といわれていた。まぁ、私も軽く流していたのだけど。なぜならば、今週は家に食料がないから(死)。作るからには、一応調理師としてのプライドもあるし、半端なものは作れない。
でもまぁ、今日は機嫌もよかったし作ってやるかという気分になり、昼に帰宅してから準備を始める。
まずは定番の卵焼き。個人的に砂糖をいれるのは嫌いなので、塩味の卵焼きだ。ちゃんと卵焼きようの四角いので形を整えて作る。ここらへんは基本技なので普段やらなくても覚えている。だから、オムレツとか卵焼きという形状は嫌いなんだってば。
それから、おかずとしてはジャガイモ(しかももうすぐ葉と根がでそうなほど成長した)とタマネギとベーコンを炒めたもの。カレー味にしようかと思ったが、普通に塩胡椒で。あとは粉チーズをふってみた。……ちょっとこがしてしまったんだが。
ご飯は大きなにぎりめしに。私の手でにぎれる限度くらいの大きさになったのは、梅干しを1個ずついれたから。
それらを弁当箱がなかったので重箱にいれる。流石にすかすか。そして袋も風呂敷も見つからずにスーパーの袋にいれた。
…………。
気は心(大きくうなずく)。
それだけやるだけで、残りの昼休みは20分もない。微妙に残ったご飯を塩にぎりにしてくらい、ネットチェックをして職場に戻る。
「S屋敷さん、お弁当」
「え? ホントに?」
素直に喜ぶS屋敷君。私が本当に作ってくるとは思っていなかったらしい。
もう一人の職場の同僚(女性)に「なにが入っているんですか?」ときかれ、そっと蓋を横からあけてみて「教えなーい」とかやっている。
嬉しそうに食べながら、配送パートさんが質問があって戻ってくると「お弁当、作ってもらった」と報告。せんでええわい。余計な誤解を生むだろうが。これでも、男性社員さん二人以外には好きな人がいる、とはいっているのだが。
「そういえば、嫌いなものってあるんですか」
「生野菜」
…………。
「じゃあ、煮たのは平気ですか」
「うん」
「ブロッコリーとかアスパラは?」
「あまり得意じゃない」
………………。
駄目すぎ、この男。野菜食わずに甘いものばかり食ってんじゃねーっ。そして、私のレパートリーに煮野菜はないーっ!(これ重要)
くそう、煮物の本を買ってこなければならないな。毎回ラタトゥイユつめておくわけにもいかないし。あとは、他にも弁当になりそうなおかずを作るようにせねばな。冷凍庫に作り貯めしておくか。
でもまぁ、思っていた以上に喜んでくれたようなので、なんとなく嬉しいかな。このまま餌付けをしていって、そのうち限定解除の免許をとったら、車に乗せてもらおう。……下心ありありなのだ。ははは。彼の車は、マニュアル車だからね!
にしても、男の人ってのは、手料理にやはり弱いのだな。特に独り暮らしかなんかをしていると。S屋敷君は妹さんと同居中だというけれど。
なんかな、まめに餌付けしていけばS屋敷君なら落とせる気がしてきたぞ。落とさないけれど。
……ここではたと思ったのだが。(そしてこのことを話したら、案の定友人に笑われた)
クマにも誰か、弁当貢ぐ人が現れたらどうしよう。あっさり、買収されそうだよ、あの雑食動物(ヒドイ言い方)。
いつの世にも、手料理ってのは結構きくんだなぁ。
合間にクマをひとくさり。
「だからさ、クマは絶対、乙女なのよ、私なんかより」
「そうだよね、君の方が『益荒男でしたよ』って感じだよね」
「あーもう、押し倒してくるか。つーか、連れ込むか」
「どこにだよ(笑)」
「ほら、よく『今夜は帰りたくない……』っていうじゃん。私はいわないね。『今夜は……帰らせませんよ』でしょう、やっぱ」
「かっこえ〜っ(笑)」
バカですか、オレら。つか、オレが。
こっちから動かないと、絶対に向こうから手を出してはこないだろうからな、クマ。色々お膳立てまでして、そこで逃走されたらそれこそおしまいなので、実際の行動には移さないと思うけれどな……多分。
――唐突に。
ただ逢いたいと思った。
そして、そう思ったら涙が出てきた。
ホワイトデー買ってもらうだの、乙女を攻略するだの色々ほざいているが、根本的にただ逢いたいだけなのだ。
職場のひそかなおもしろ人間(失礼)S屋敷君は、金がないのか面倒なのか昼を食わない。前は、菓子パンくらいは買ってきて食べていたのだが。
私が飯を食わないのはともかくとして、いい年した大の男が飯を抜くのは絶対身体によくない。甘いもの食ってりゃいいってもんじゃないだろうが。
で、もう一人の社員のYさんから冗談半分で「弁当作ってきてやってくれよ」といわれていた。まぁ、私も軽く流していたのだけど。なぜならば、今週は家に食料がないから(死)。作るからには、一応調理師としてのプライドもあるし、半端なものは作れない。
でもまぁ、今日は機嫌もよかったし作ってやるかという気分になり、昼に帰宅してから準備を始める。
まずは定番の卵焼き。個人的に砂糖をいれるのは嫌いなので、塩味の卵焼きだ。ちゃんと卵焼きようの四角いので形を整えて作る。ここらへんは基本技なので普段やらなくても覚えている。だから、オムレツとか卵焼きという形状は嫌いなんだってば。
それから、おかずとしてはジャガイモ(しかももうすぐ葉と根がでそうなほど成長した)とタマネギとベーコンを炒めたもの。カレー味にしようかと思ったが、普通に塩胡椒で。あとは粉チーズをふってみた。……ちょっとこがしてしまったんだが。
ご飯は大きなにぎりめしに。私の手でにぎれる限度くらいの大きさになったのは、梅干しを1個ずついれたから。
それらを弁当箱がなかったので重箱にいれる。流石にすかすか。そして袋も風呂敷も見つからずにスーパーの袋にいれた。
…………。
気は心(大きくうなずく)。
それだけやるだけで、残りの昼休みは20分もない。微妙に残ったご飯を塩にぎりにしてくらい、ネットチェックをして職場に戻る。
「S屋敷さん、お弁当」
「え? ホントに?」
素直に喜ぶS屋敷君。私が本当に作ってくるとは思っていなかったらしい。
もう一人の職場の同僚(女性)に「なにが入っているんですか?」ときかれ、そっと蓋を横からあけてみて「教えなーい」とかやっている。
嬉しそうに食べながら、配送パートさんが質問があって戻ってくると「お弁当、作ってもらった」と報告。せんでええわい。余計な誤解を生むだろうが。これでも、男性社員さん二人以外には好きな人がいる、とはいっているのだが。
「そういえば、嫌いなものってあるんですか」
「生野菜」
…………。
「じゃあ、煮たのは平気ですか」
「うん」
「ブロッコリーとかアスパラは?」
「あまり得意じゃない」
………………。
駄目すぎ、この男。野菜食わずに甘いものばかり食ってんじゃねーっ。そして、私のレパートリーに煮野菜はないーっ!(これ重要)
くそう、煮物の本を買ってこなければならないな。毎回ラタトゥイユつめておくわけにもいかないし。あとは、他にも弁当になりそうなおかずを作るようにせねばな。冷凍庫に作り貯めしておくか。
でもまぁ、思っていた以上に喜んでくれたようなので、なんとなく嬉しいかな。このまま餌付けをしていって、そのうち限定解除の免許をとったら、車に乗せてもらおう。……下心ありありなのだ。ははは。彼の車は、マニュアル車だからね!
にしても、男の人ってのは、手料理にやはり弱いのだな。特に独り暮らしかなんかをしていると。S屋敷君は妹さんと同居中だというけれど。
なんかな、まめに餌付けしていけばS屋敷君なら落とせる気がしてきたぞ。落とさないけれど。
……ここではたと思ったのだが。(そしてこのことを話したら、案の定友人に笑われた)
クマにも誰か、弁当貢ぐ人が現れたらどうしよう。あっさり、買収されそうだよ、あの雑食動物(ヒドイ言い方)。
いつの世にも、手料理ってのは結構きくんだなぁ。
合間にクマをひとくさり。
「だからさ、クマは絶対、乙女なのよ、私なんかより」
「そうだよね、君の方が『益荒男でしたよ』って感じだよね」
「あーもう、押し倒してくるか。つーか、連れ込むか」
「どこにだよ(笑)」
「ほら、よく『今夜は帰りたくない……』っていうじゃん。私はいわないね。『今夜は……帰らせませんよ』でしょう、やっぱ」
「かっこえ〜っ(笑)」
バカですか、オレら。つか、オレが。
こっちから動かないと、絶対に向こうから手を出してはこないだろうからな、クマ。色々お膳立てまでして、そこで逃走されたらそれこそおしまいなので、実際の行動には移さないと思うけれどな……多分。
――唐突に。
ただ逢いたいと思った。
そして、そう思ったら涙が出てきた。
ホワイトデー買ってもらうだの、乙女を攻略するだの色々ほざいているが、根本的にただ逢いたいだけなのだ。
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