夏の薫り。
2001年7月24日 会社帰りの道で。ふと夏に出会ったような気がした。
昼間はバカみたいに暑かったが、残業して帰る頃には日も落ちて気温も下がり。ほてほてと歩く裏道で、懐かしい空気を感じ、ふと足を止めてみた。
子供の頃、家に冷房はなく扇風機が唯一の涼をとる手段で。家が商売をやっていたので、店の入り口から台所まで、窓をあけていれば風の通り道だった。そこで昼寝をするのが子供の頃の恒例だった。
網戸などないから、蚊取り線香の白い煙が立ち上り、あの独特の香りがあたりを漂っている。最高気温だって、あっても32度くらいだったはずで、汗をかきつつそれでも寝ていた。
――あの全体が湿気を含んで暑い空気、それと同じ気配をいつもの道で感じたのだった。そこではないとおりを通ると、懐かしい蚊取り線香の香りをかいだこともある。
嗅覚が記憶を刺激する、というのは本当のようだ。
もう戻らない、過ぎ去った時を少しだけ思い出してみた、そんな夏の夕暮れだった。
昼間はバカみたいに暑かったが、残業して帰る頃には日も落ちて気温も下がり。ほてほてと歩く裏道で、懐かしい空気を感じ、ふと足を止めてみた。
子供の頃、家に冷房はなく扇風機が唯一の涼をとる手段で。家が商売をやっていたので、店の入り口から台所まで、窓をあけていれば風の通り道だった。そこで昼寝をするのが子供の頃の恒例だった。
網戸などないから、蚊取り線香の白い煙が立ち上り、あの独特の香りがあたりを漂っている。最高気温だって、あっても32度くらいだったはずで、汗をかきつつそれでも寝ていた。
――あの全体が湿気を含んで暑い空気、それと同じ気配をいつもの道で感じたのだった。そこではないとおりを通ると、懐かしい蚊取り線香の香りをかいだこともある。
嗅覚が記憶を刺激する、というのは本当のようだ。
もう戻らない、過ぎ去った時を少しだけ思い出してみた、そんな夏の夕暮れだった。
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