誘惑。

　約1ヶ月ぶりのなにもない木曜日。3週連続で芝居だったからね。デパートに買い物に行こうと家を出たのだが、最寄り駅で献血車を発見。……ダメだ、明日から3日連続ライブ（しかも激しい）だからやめておけ、という心の声を無視して誘惑に負け足は献血車へ。
　12月以来いっていないから、ちょいとうきうき。最近ストレスもたまっていたし、いい具合だ。手帳は持っていなかったが、パソコンで検索して出してもらう。
　いざ献血車の中に入りまず診察。
「色白いですけど、血圧はいつもどれくらい？」
「は？　120前後ですが」
　低血圧に見られるが、血圧はしっかりあるのが私の自慢。……そんなに色白いか、オレ？　ちなみに血圧は70−120くらいだった。正常値である。
　そのあとどちらの腕で採血するかはかるために腕をめくると、
「本当に色が白いのねぇ〜」
　と看護婦さん。自覚はないのだが、相当色白なんだな、オレ……。
　右腕からちょっぴり血を採られ、薬品の中へぽたり。
「残念、比重が足りませんね」
　とドクターストップ。……比重が足りなくて断られたのは4回目くらい。そうか、血液が栄養不足だったか。考えてみたら、先週1週間で食事をとったのは4回くらいだったと思い出す（煎餅とかクッキーはつまんでいた）。なるほど。「倒れなければ健康」を座右の銘にしているので、あまり気づかなかったがあんまり健康ではないらしい。
　仕方がないので、でかけたデパートで北海丼やら京の総菜やらを買い込む。あとは花見用の和菓子を少々（が、デート相手が仕事でこられず余る。困った）。軽く河原で光合成をしてから帰ってきて早めの夕食をとったのだが、胃の調子が悪い(--;　食い過ぎか？
　……夕方のTVでリストカッティング・シンドロームの特集をやっていた。若い女性の間で最近流行っている（という言い方は正しくないが）らしい。登場した女の子の左前腕は梯子のように赤い筋がついていて痛々しかった。彼女たちの心理状態などを分析した話をきいていると、私が昔やっていたのはリスカじゃないんじゃないかと思えてきた。
　ただ、「その痛みで自分が生きていることを確認できる」とか「心の傷と違って体の傷は目に見えるから」とかうなずける部分もあった。
　死にたいわけではない。死ぬのならもっと確実な方法はあるし、自分が死ぬくらいならその原因となった相手を殺るくらいの気概はある（ってのも問題だな。おい）。
　ま、私がやっていたのはもう数年前に半年間くらいだったけれど。今でも時々せっぱ詰まるとやりたくなるがやっていない。一度やるととまらなくなるだろうなぁと思うのと、ある意味血を見たいだけなので（笑）献血で昇華しているとこもあるから。
　……ああ、跡が残るようなへましてないから。ま、多少は残っているけど目立たないよ。ノースリーブも着られるしね。